
「粉瘤から強い臭いがする」「潰したらにおいのある内容物が出てきた」
このような状態は、粉瘤の袋の中身が外に出ているサインであり、自然に治ることはありません。
一時的に圧出して臭いを抑えることはできても、袋が残っている限り再発や感染を繰り返し、自己処置を間違えると炎症や化膿が悪化してしまうこともあるため注意が必要です。
この記事では、
- 粉瘤から臭いが出たときに自宅でできる応急処置
- やってはいけない対応
- 形成外科で行う根本治療
- 保険適用の手術費用
について、分かりやすく解説します。
「とりあえず今どうすればいい?」「病院では何をするの?」という方は、ぜひ参考にしてください。
粉瘤の臭いが出た際の応急処置方法
患部を清潔にする
臭いの正体は、粉瘤の袋の中に溜まった角質・皮脂・細菌が分解されたものです。
まず大切なのは、患部を清潔に保つことです。
- 石けんでやさしく洗う
- シャワーで軽く流す
- ゴシゴシ擦らない
強く洗ったり、押し出そうとすると、炎症が悪化する原因になります。あくまで「汚れを落とす程度」にとどめてください。
ガーゼなどで保護する
臭いが出ている場合、内容物が少量ずつ漏れ続けていることがあります。そのまま放置すると、衣服への付着や二次感染の原因になります。
- 清潔なガーゼで軽く覆う
- テープで圧迫しすぎない
- 濡れたらこまめに交換する
密閉しすぎないことがポイントです。蒸れると細菌が増え、悪化しやすくなります。特に最近ではキズパワーパッドなどのハイドロコロイド被覆材を使って傷を覆うことがありますが、ハイドロコロイド被覆剤は細菌を中に閉じ込めてしまうため悪化する可能性が高まってしまいます。
刺激せず、早めに形成外科を受診する
臭いが出ている粉瘤は、
- すでに袋が破れている
- 感染を起こしている
- 再発を繰り返す状態
であることがほとんどです。
自宅でできる応急処置はあくまで「一時しのぎ」。根本的に治すには、袋ごと取り除く治療が必要です。
「臭いが落ち着いたから様子見」はおすすめできません。
早めに形成外科を受診することで、炎症が軽いうちに治療でき、傷も最小限で済みます。
形成外科での粉瘤の治療方法
くり抜き法
比較的小さな粉瘤や、炎症が落ち着いている状態で選択される方法です。トレパンという器具で小さな穴を開け、袋を丸ごと取り出す治療です。
- 傷が小さい
- 縫合が不要な場合もある
- 日帰りで可能
再発の原因となる袋を確実に除去できるため、臭いの再発も防げます。
切開法
粉瘤が大きい、炎症を繰り返している、皮膚と癒着している場合に行われます。皮膚を切開し、袋を目で確認しながら完全に摘出します。
- 再発リスクが最も低い
- 縫合が必要
- 状態によっては一時的に切開排膿を先行することも
「以前切開したけど再発した」というケースでは、袋が残っていた可能性が高く、形成外科での切除が有効です。
保険適用|粉瘤の手術費用
粉瘤の手術は保険適用です。自己負担3割の場合のおおよその目安は以下の通りです。
- 小さい粉瘤:5,000円前後
- 中等度以上:7,000〜10,000円前後
- 病理検査を行う場合:+数千円
※部位・大きさ・炎症の有無によって多少前後します。
「臭いが出ている」「再発している」粉瘤は、美容目的ではなく治療目的のため、保険で対応できます。
粉瘤から臭いで出た際の応急処置に関するQ&A
粉瘤から臭いが出ている状態です。病院に行く前に抗生物質やニキビ用の抗生剤の塗り薬を塗った方がいいですか?
おすすめしません。
抗生剤の塗り薬は、粉瘤の袋そのものを治すことはできません。
また、自己判断で使用すると、抗生剤に耐性ができてしまったり、中途半端に改善する事で症状が分かりにくくなり、診断や治療の妨げになることもあります。
応急処置は「清潔にしてガーゼで保護する」までにとどめ、早めに受診してください。
以前皮膚科で粉瘤を切開した部位が再発し、臭いを放つことがあります。この場合も再度治療すれば治りますか?
はい、治ります。
切開のみで袋が残っていた場合、再発して臭いを繰り返すことがあります。
形成外科で袋ごと摘出すれば、再発の可能性は大きく下げられます。
「何度も臭う」「同じ場所が腫れる」場合は、根治治療を検討すべきサインです。
粉瘤らしきできものを潰しましたが、臭いはありませんでした。臭いがなくても粉瘤の可能性はありますか?
あります。
粉瘤の臭いは、内容物が酸化・感染した場合に強く出るものです。初期や炎症が少ない場合は、臭いがほとんどないこともあります。
潰してしまった場合は、内部で炎症が進行するリスクがあるため、臭いがなくても一度受診することをおすすめします。
まとめ
粉瘤から臭いが出ている状態は、進行・再発のサインで、これから悪化し治療が大変になる可能性が高いです。
自宅でできる応急処置は「清潔・保護・刺激しない」までに留め、形成外科を受診し、袋ごと摘出手術をすることが再発・臭いを防ぐ唯一の方法です。
保険適用で日帰り治療が可能なケースがほとんどで、今の状態をこれ以上悪化させないためにも、早めの形成外科受診が最も確実な対処法です。
