脂漏性角化症(老人性イボ)が頭皮にできる原因・症状・治療法を解説

「頭皮にできものがあるけど脂漏性角化症なのか気になる」
「治療したら頭皮に傷痕が残らないか心配」

頭皮にできものができたとき、これらの疑問をもつ方もいるでしょう。脂漏性角化症は、頭皮にもできる腫瘍です。中にはホクロやニキビなど他の症状と見分けがつかないことも多いです。

本記事では、頭皮にできた脂漏性角化症の原因や似たような症状、効果的な治療法などを詳しく解説しています。

脂漏性角化症とは

脂漏性角化症は、シミのような良性の腫瘍で頭皮にもできます。脂漏性角化症の主な症状や原因についてそれぞれ解説します。

頭皮にできる脂漏性角化症の症状

頭皮にできる脂漏性角化症の症状は、円形や楕円形の腫瘍ができることです。腫瘍といっても、患部は少し盛り上がる程度であることが多いため、パッと見たところシミのように見えるでしょう。

表面はカサカサ・ザラザラしており、凸凹している場合があります。かゆみや痛みなどの自覚症状は基本的にありませんが、衣服や帽子と擦れると痒みが生じることがあります。

色は茶褐色や黒色、肌色に近い場合などさまざまです。小さなものは数mmで、大きくなると5cmくらいまでになることがあります。

発症は40代以降から多くなり、80代ではほとんどの方にみられます。脂漏性角化症は、自然治癒することはなく、「イボコロリ」といった市販の薬等では治りません。

そのため、帽子を被った際に擦れて気になる場合や、頭髪が少なく目立ってしまう場合などに治療を希望する方もいます。

また、脂漏性角化症が急激に全身に増え、かゆみを伴う場合は「Leser-Trélat(レゼルートレラ)兆候」の可能性があります。この症状がある場合は、内臓がんを発症しているおそれがあるため、油断せずに早急な診察が必要です。

脂漏性角化症が頭皮にできる原因

頭皮に脂漏性角化症ができる原因は、はっきりとわかっていません。紫外線や皮膚の老化、遺伝などによるといわれています。

頭皮は日光によくあたる箇所です。他に顔面、首筋など日光にあたる機会が多い箇所に好発することから、紫外線の影響が高いと考えられています。

紫外線の影響で、メラニンが大量に生成され皮膚の細胞が異常増殖することが、盛り上がったシミのようになる原因とされています。

また、加齢により症例が多くなることが、肌の老化現象も一つの原因であるとされる理由です。肌の老化は、肌の新陳代謝の乱れを招きます。

通常であれば、表面に押し出されるはずの古い細胞が残ったままになれば、シミも消えにくくなるでしょう。

脂漏性角化症は、胸や腹など紫外線を浴びにくい場所にも発生します。また、年齢によって必ずしも同じ症状にならないことから、遺伝の可能性もあるのではないかと考えられています。

脂漏性角化症以外の頭皮のできもの

脂漏性角化症以外で頭皮にできものが発症することがあります。尋常性疣贅(じんじょうせいゆうぜい)や悪性腫瘍、炎症(ニキビ・皮膚炎など)などです。

それぞれの特徴は以下のとおりです。

種類 尋常性疣贅 皮膚がん 炎症
褐色・黄色・灰黒色 褐色・黒色・紅色・肌色 赤色
大きさ 数mm〜1cm 数mm〜数cm 数mm〜数cm

脂漏性角化症と皮膚がんは似ている場合があります。頭髪に隠れて確認しづらいこともあるため、心配であればクリニックでの診察をおすすめします。

【イボ】尋常性疣贅(じんじょうせいゆうぜい)

尋常性疣贅は、皮膚にできる一般的なイボを指します。ヒトパピローマウイルス(HPV)と呼ばれるウイルスの感染によって引き起こされる疾患です。

患部の表面はザラザラしており、盛り上がっています。引っ掻いたりすることで広がり、はじめは1つだったのが複数に増えることがあるのが脂漏性角化症との違いです。複数に増えたイボがくっついて大きな一つのイボになることもあります。

市販の薬で治る場合がありますが、かえって悪化させてしまうことがあります。また放置した結果、広範囲にできてしまい治療が難しくなることがあるため注意が必要です。

【ガン】皮膚がん

頭皮に皮膚がんが発症している場合があります。頭皮にできる主な皮膚がんは以下のとおりです。

  • ・日光角化症(にっこうかくかしょう)
  • ・有棘細胞がん(ゆうきょくさいぼうがん)
  • ・血管肉腫(けっかんにくしゅ)
  • 皮膚がんは、早期の発見により治療できる場合があります。放置しておくと進行し、リンパ節や臓器などに転移するおそれもあるため要注意です。

内臓のがんと違い、症状を見て確認できるため皮膚がんは発見しやすいといえます。しかし、ほくろやシミと見間違え放置してしまうことも多い疾患です。

皮膚がんは、形が左右非対称であることが多く、また潰瘍化してジクジクする症状があります。他に患部が急に大きくなる、悪臭がするなどの症状がある場合は、一度クリニックで診察を受けた方が良いでしょう。

皮膚がんについてはこちらの記事で詳しく解説しています。
関連記事「皮膚がんとは?原因や種類・見分け方から治療法まで解説!」

【ニキビ・皮膚炎】炎症

頭皮がニキビや皮膚炎などの炎症を起こしている場合があります。頭皮にできる主な炎症は以下のとおりです。

  • ・ニキビ
  • ・毛嚢炎(もうのうえん)
  • ・脂漏性皮膚炎(しろうせいひふえん)
  • ・皮膚接触炎

脂漏性皮膚炎と違うところは、痛みやかゆみなどの自覚症状があることです。他に、腫れやフケなどの症状があるため比較的判断しやすいでしょう。

頭皮のニキビは、若者だけにできる疾患ではありません。30〜40代でもみられます。

毛根部分に膿をもったブツブツがある場合には、毛嚢炎が考えられます。炎症がひどい場合には跡が残るおそれもあるため注意が必要です。

皮膚の盛り上がりがなく、赤みやフケが出るなどの症状は、脂漏性皮膚炎の可能性があります。

頭皮の脂漏性角化症を自分で取るのは止めましょう

頭皮の脂漏性角化症を自分でとってはいけません。無理に剥がそうとして肌を傷つけてしまい、頭皮に傷跡が残ってしまうおそれがあります。

傷口から細菌が侵入し感染症を引き起こすかもしれません。さらに、腫瘍を除去したつもりでも表面部分しかとれておらず、再発してしまう可能性があります。

脂漏性角化症は、一般のイボと違い市販の薬を使っても治りません。また、自己判断で皮膚がんを見逃すおそれがあります。医師が診察すれば、悪性であるか正確に判断できるため安心です。

頭皮にできた脂漏性角化症の当院での治療方法

脂漏性角化症は、自然に治ることはありません。前述したとおり自分での治療はリスクがあり、クリニックでの治療が必要です。

当院では、メスによる切除、もしくはレーザー治療を行っています。メスでの治療は、高周波メスを用いて患部を直接切除する方法です。

切除といっても、皮膚を切り込むわけでなく患部のみを削り取る施術です。また、高周波メスは、切除と同時に止血作用があります。そのため、出血はほとんどなく大きな傷跡は残りません。高周波メスでの切除は、基本的に一度の施術で完了します。

レーザー治療では、ピコレーザーを使って治療します。レーザーは1〜3回程度の治療となりますが、メスでの治療よりダウンタイムが短いことが特徴です。

当院では、米国サイノシュア社のピコシュア(PicoSure)を使用しています。ピコシュアは、厚生労働省及び米国FDAの承認を得ている安全性の高い医療機器です。

ピコシュアについてはこちらの記事で詳しく解説しています。
関連記事「ピコシュア(シミ治療)についての詳細」

頭皮治療で髪の毛が無くなるのか?

頭皮の脂漏性角化症を治療した場合、レーザー治療であれば基本的に髪の毛は生えてきます。脂漏性角化症の多くは皮膚の表面近くにできるため、毛根までダメージは届かないためです。

患部があまりに深い、もしくは広範囲に切除手術をした場合、一部において生えなくなる可能性があります。毛根が損傷を受けた場合や、やむを得ず除去しなければならないときです。その場合でも、部分的であるため周囲の毛髪でカバーできるでしょう。

脂漏性角化症治療の料金

当院では、高周波メスによる切除及びレーザー治療を行っています。当院の脂漏性角化症治療の料金は以下のとおりです。

施術の種類 料金(税込)
ピコスポット(1ショット) 550円
ピコスポット(150ショット以内) 55,000円
ピコスポット(300ショット以内) 100,000円
イボ焼灼・切除 3mm未満 5,500円
イボ焼灼・切除 4mm未満 7,150円
イボ焼灼・切除 5mm未満 8,800円
イボ焼灼・切除 7mm未満 12,100円

脂漏性角化症治療は、全て自由診療となります。

形成外科では頭皮もきれいに治せる

形成外科は、頭皮の脂漏性角化症もきれいに治せます。形成外科は、火傷や手術痕など体の損傷について、機能と見た目の両方を修復する診療科です。

たとえば、形成外科では火傷やケロイド、手術後の傷跡の修復などを行っています。一般の診療科よりも、外観を「きれいに」治すことに特化しており、そのための必要な設備や専門技術があります。

脂漏性角化症をきれいに治したいなら形成外科にお任せください。

まとめ

脂漏性角化症は紫外線や老化、遺伝などが原因で発症するといわれている、シミに似た腫瘍です。頭皮のできものは他に、ニキビや一般のイボなどの可能性もあります。

脂漏性角化症は、良性腫瘍であるため経過観察することも多い疾患です。しかし、くしを通したときや帽子を被ったときに引っかかること、見た目が気になるなどの理由で治療する方がいます。

当院では、これまでがん研有明病院、聖路加国際病院で顔面の形態手術、全身の再建手術をしてきた院長や経験豊富な専門医による傷跡のきれいな治療が受けられます。脂漏性角化症以外のできものや、あざなどが気になる方はお気軽にご相談ください。

院長紹介

日本形成外科学会 専門医 古林 玄

東京皮膚のできものと粉瘤クリニックふるばやし形成外科 新宿院 院長 古林 玄

私は大阪医科大学を卒業後、大阪医科大学附属病院、市立奈良病院を経て東京へ行き、がん研有明病院、聖路加国際病院で形成外科の専門医として様々な手術の経験を積んできました。

がん研有明病院では再建症例を中心に形成外科分野の治療を行い、乳房再建および整形外科分野の再建を中心に手術を行ってきました。聖路加国際病院では整容的な面から顔面領域の形態手術、また、先天性疾患、手の外科、全身の再建手術に携わって参りました。

この経験を活かし、全身における腫瘍切除を形成外科的に適切な切除を目指し、傷跡の目立たない治療を提供できればと考えております。

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