- 脂漏性角化症(しろうせいかくかしょう)とは
- 脂漏性角化症は保険適用で治療できる?
- 脂漏性角化症の治療の種類
- 脂漏性角化症を治療したほうが良いケース
- 脂漏性角化症と似た腫瘍
- 脂漏性角化症の治療はクリニックで
- まとめ
脂漏性角化症の治療について、以下のような疑問をお持ちではないでしょうか。
- 「脂漏性角化症は保険適用で治療できる?」
- 「治療方法により料金は違う?」
脂漏性角化症は健康に影響がないため、「治療費が高そうだし放置しよう」と考える方も多いでしょう。しかし、治療方法によっては保険適用で安価に治療できます。
本記事では、脂漏性角化症の保険適用や料金について解説します。似た腫瘍の保険適用についても紹介しているため、脂漏性角化症かどうか確信がない方もぜひ参考にしてください。
脂漏性角化症(しろうせいかくかしょう)とは
脂漏性角化症とは、老人性イボとも呼ばれる良性腫瘍です。加齢とともに発生しやすくなりますが、日光をよく浴びる人は20代でも発症することがあります。
脂漏性角化症はがん化しませんが、自然に治ることもないため、見た目が気になる方は治療を検討することが多いです。
特徴 | 詳細 |
---|---|
色 | 黒色・褐色 |
大きさ | 数mm〜3mm |
外観 | 円形・楕円形・わずかに盛り上がる |
自覚症状 | なし(まれにかゆみ・痛み) |
好発部位 | 頭部・顔・首筋・四肢 |
発症年齢 | 40代以降 |
原因 | 紫外線・肌の老化・遺伝 |
特に、紫外線が大きな原因とされており、加齢とともに増える傾向があります。
脂漏性角化症は保険適用で治療できる?
脂漏性角化症の治療は、方法によって保険適用の有無が異なります。ここでは、保険適用の治療方法や料金相場を解説します。
脂漏性角化症は治療法により保険適用になる
脂漏性角化症は治療法によって保険適用となるか決まります。発生箇所や症状の現れ方による違いはありません。保険適用となる治療方法は以下の2つです。
- ・凍結療法
- ・外科手術(広範囲の症状やがんの疑いがある場合)
一方、以下の治療方法は自由診療です。レーザー治療や電気焼灼法は美容目的のため、仕上がりがきれいなのが特徴です。
- ・レーザー治療
- ・電気焼灼法
保険適用と自由診療の違い
治療法 | 保険適用 | 料金相場(税込・最小範囲) | 副作用 |
---|---|---|---|
凍結療法 | 適用 | 600円〜800円(3割負担) | 色素沈着が起きやすい |
外科手術 | 適用 | 7,000円〜14,000円(3割負担) | 線状の傷跡が残りやすい |
レーザー治療 | 適用外 | 6,000円〜11,000円 | ほとんどなし |
電気焼灼法 | 適用外 | 5,500円 | ほとんどなし |
保険適用の治療は費用を抑えられますが、副作用として傷跡が残る可能性があります。
脂漏性角化症の治療の種類
脂漏性角化症の治療方法は、以下の4種類があります。それぞれ詳しく解説します。
凍結療法
凍結療法は、−196℃の液体窒素を患部に当てて急激に冷やす治療法です。一般的なウイルス性いぼによく用いられる治療法で、脂漏性角化症でも使われます。
施術は、患部の大きさによってスプレーや綿棒などを使い、患部の凍結・解凍を3回程度繰り返します。患部は凍傷を起こして壊死し、その後かさぶたとなりますが自然に剥がれ落ちるため心配はいりません。
凍結療法の多くは一度の治療で治らないことが多く、1〜2週間おきに計2〜3回程度の治療が必要です。副作用は、痛み・血豆・水ぶくれ・色素沈着・炎症などです。凍結療法によってできた色素沈着は跡が残るおそれがあるため、目立たない箇所への治療が良いでしょう。
外科手術
脂漏性角化症の治療では、外科手術をする場合があります。メスを用いて患部を直接切除する方法です。
外科手術は診察した際に癌(がん)の疑いがあった場合に行い、切除した組織を検査します。また、他の治療法では治せないような、患部の面積が大きいケースで行います。
局所麻酔をするため、施術時の痛みはありません。外科手術は再発しにくい治療法ですが、傷跡が残ってしまうリスクがあります。
レーザー治療
脂漏性角化症の治療にはレーザー治療も有効です。レーザー治療は、患部に高出力のレーザーを照射することでシミ部分を除去します。
また、レーザー治療はモードを変えることで患部以外に、たとえば肌のくすみや細かいシミなど肌全体へのアプローチが可能です。 レーザー治療の種類は、ピコレーザーやQスイッチレーザー、炭酸ガスレーザーなどがあり、いずれも自由診療です。当院では、ピコレーザーとQスイッチレーザーを導入しています。
凍結療法や外科手術に比ベダウンタイムが短く、副作用も少ないうえ、仕上がりが最もきれいな施術です。人と会う機会が多い方や、見た目が気になる方に最適な施術といえるでしょう。
電気焼灼法
電気焼灼法は、高周波メスを用いて患部を切除・焼灼する方法です。
電気焼灼法も脂漏性角化症の治療に有効です。高周波メスを使い患部を切除、焼灼する方法で切除と同時に止血できるため、出血はほとんどありません。 また、局部麻酔するため施術中の痛みはなく、施術後のヒリヒリや赤みはすぐに落ち着くでしょう。
施術後、かさぶたができますが7〜10日程度で剥がれます。その後、2〜3か月程度で新しい皮膚ができてきれいになります。 基本的に1回の施術で終わり、再発の可能性が少ない治療法です。皮膚の盛り上がりが大きい脂漏性角化症を、きれいに治したい場合におすすめします。
脂漏性角化症を治療したほうが良いケース
脂漏性角化症の治療を推奨するケースは以下のとおりです。
- ・帽子や衣服に患部が引っ掛かる場合
- ・見た目が気になる場合
患部が擦れると炎症を起こし、出血・痛み・かゆみを伴うことがあります。また、脂漏性角化症だと思っていたものが、実は皮膚がんだったというケースもあります。少しでも不安がある場合は、診察を受けることをおすすめします。
脂漏性角化症と似た腫瘍
脂漏性角化症と見た目が似ている腫瘍には、シミやほくろなどがあります。それぞれの特徴を比較してみましょう。
種類 | 症状 | 好発部位 | 保険適用 |
---|---|---|---|
シミ | ・肌が部分的に黒色・褐色になる ・患部の盛り上がりはない ・放置すると脂漏性角化症に移行することもある |
顔・首筋・腕 | 保険適用外 ※外傷性色素沈着・太田母斑・異所性蒙古斑などは適用 |
ほくろ | ・黒色・褐色・青灰色など ・平坦・盛り上がりなど様々な形態 |
全身 | ・美容目的:自由診療 ・悪性の疑い・日常生活に支障がある場合:保険適用 |
一般的なイボ | ・黄色・茶色・灰色の盛り上がり ・表面がザラザラしている ・ウイルス感染によるもの |
手足 | 凍結療法の場合のみ保険適用 |
皮膚がん | ・ほくろやシミに似るが以下の特徴がある – 形がいびつ・左右非対称 – 境界が不明瞭・色がまばら – 急に大きくなったり、潰瘍化してじゅくじゅくする |
全身 | ほとんどの場合保険適用 |
加齢によるシミなど、日常生活に支障がない場合の治療は保険適用外です。一方、悪性腫瘍や先天性の場合は保険適用になることが多いです。
脂漏性角化症の治療はクリニックで
脂漏性角化症の治療は、皮膚科や形成外科で受けられます。
市販薬では治せず、自己処理すると傷跡が残る可能性があるため、気になる場合は医療機関での治療をおすすめします。
脂漏性角化症は健康上の問題はありませんが、自然に消えることはないため、早めに治療した方が傷跡が目立ちにくいでしょう。
また、見た目が脂漏性角化症に似ていても、がんである可能性もあるため、少しでも気になる場合は診察を受けることを推奨します。
▶関連記事「脂漏性角化症は市販薬で治療できる?効果的な治療方法や注意点を解説」
まとめ
脂漏性角化症は良性腫瘍で、治療しなくても基本的に問題ありません。しかし、以下のような場合は治療を検討しましょう。当院では、傷跡がきれいに仕上がるレーザー治療を行っています。
経験豊富な専門医が診察を行いますので、シミやできものが気になる方は、ぜひ当院にご相談ください。
院長紹介
日本形成外科学会 専門医 古林 玄
私は大阪医科大学を卒業後、大阪医科大学附属病院、市立奈良病院を経て東京へ行き、がん研有明病院、聖路加国際病院で形成外科の専門医として様々な手術の経験を積んできました。
がん研有明病院では再建症例を中心に形成外科分野の治療を行い、乳房再建および整形外科分野の再建を中心に手術を行ってきました。聖路加国際病院では整容的な面から顔面領域の形態手術、また、先天性疾患、手の外科、全身の再建手術に携わって参りました。
この経験を活かし、全身における腫瘍切除を形成外科的に適切な切除を目指し、傷跡の目立たない治療を提供できればと考えております。