脂漏性角化症にイボコロリは効果がある?正しい治療方法を解説

脂漏性角化症は、イボのように見えることが多いため、イボコロリなどの市販薬で治療できるのではないかと考える方も多いのではないでしょうか。健康に害が無い症状なので、できれば安く簡単に治療したいと考える方もいます。

イボコロリなどの市販薬は、ウイルス性のイボや角質の除去には効果がありますが、脂漏性角化症は加齢や紫外線が原因のため治療することはできません。正しい治療をしなければ、症状が悪化する可能性があるため注意が必要です。

この記事では、脂漏性角化症が市販薬で治療できない理由や正しい治療法について解説します。予防法もあわせて紹介するので、脂漏性角化症でお悩みの方は参考にしてください。

脂漏性角化症はイボコロリなどの市販薬で治療できない

脂漏性角化症は、イボコロリなどの市販薬では治療できません。市販薬は、ウイルス性のイボを改善させるための治療薬だからです。

脂漏性角化症の原因は、主に加齢や紫外線の影響です。良性の皮膚腫瘍の一種であり、ウイルス性のイボではありません。特に40代以上の方に多く見られる疾患で、顔や首・手足など日光が当たりやすい箇所に好発します。命にかかわる疾患ではないため放置していても問題ありませんが、見た目が気になる場合は治療が検討されます。

「見た目は気になるけど、健康上問題無いならとにかく安く治療したい」と考える方は多いですが、市販薬を使った自己治療はオススメしていません。

ただし、イボコロリを使用するなど誤った治療を行うと、皮膚にダメージを与えたり症状が悪化したりする可能性があるため注意が必要です。脂漏性角化症は、イボコロリだけではなく外用薬や内服薬では治療ができません。治療を希望する場合は、医師の診断を受け適切な治療を行うことが重要です。

イボコロリとは

先述したように、イボコロリとはウイルス性イボを改善する市販薬です。イボコロリの成分や効果、使用できる主な症状は以下のとおりです。

イボコロリの成分と効果

イボコロリは、サリチル酸を主成分とした外用薬です。皮膚の角質を軟化させる作用があり、主にウイルス性のイボに対して効果を発揮する市販薬です。

ウイルス性のイボやタコなどの角質が厚くなった部分に塗布し、角質を溶かして除去することを目的としています。症状のない部分や、適用外の症状の患部に塗布すると、皮膚が白くふやけて剥がれます。さらに、痛みを伴うこともあるため注意が必要です。

前述したとおり、脂漏性角化症は加齢や紫外線が原因で発生する良性腫瘍であり、ウイルスとは関係ありません。そのため、脂漏性角化症に使用すると症状が悪化するリスクがあります。

イボコロリは、適応する症状に正しく使用すれば一定の効果が期待できますが、トラブルが起きやすいことも事実です。市販薬を使う際は、事前に医薬品説明書を確認し、用法用量を守って使用しましょう。

イボコロリの効果を期待できる症状

イボコロリの効果を期待できる症状は、以下のとおりです。

症状 原因 好発部位
尋常性疣贅(じんじょうせいゆうぜい)
  • ・HPV(ヒトパピローマウイルス)によるウイルス感染
  • ・微小な傷などから感染する
  • ・人から人へ感染することもある
  • ・手足
  • ・膝
  • ・顔
魚の目(鶏眼:けいがん)
  • ・摩擦や圧力など外部からの刺激によって角質が厚くなる
  • ・外的刺激からの防御反応で発症する
  • ・患部の中心に鶏の目のような芯ができ、圧迫されると痛みを伴う
  • ・足の裏
  • ・指の間やふち
タコ(胼胝:べんち)
  • ・角質の肥厚
  • ・圧迫や摩擦が原因で発症する
  • ・一般的に痛みは感じない
  • ・足の裏
  • ・指の関節や付け根

イボコロリを使用できる症状でも、顔や粘膜・傷のある患部には塗布してはなりません。また、1ヶ月程度使用しても症状が改善しない場合や、症状が悪化した場合はただちに使用を中断し医師に相談しましょう。

脂漏性角化症は、角質が厚くなる病変ではありますが、イボコロリを使用しても症状が改善することはありません。反対に、炎症を起こし症状を悪化させる可能性があるため、使用しないようにしましょう。

脂漏性角化症の正しい治療方法

脂漏性角化症の正しい治療方法は、以下のとおりです。

レーザー治療

炭酸ガスレーザーや、Qスイッチレーザーなどを用いて治療する方法があります。レーザー治療は、患部の組織を蒸散させて除去するため出血が少なく、ダウンタイムが短いことが特徴です。傷跡も残りにくいため、顔など目立つ部位の治療に適しています。

ただし、レーザー治療は保険適用外となるため、費用が高額になりやすい治療です。料金はレーザーの種類や治療範囲によりますが、1万円から3万円程度が一般的な相場です。麻酔を使用する場合は、別途料金がかかることがあります。

治療後は、紫外線対策や適切なスキンケアを行うことで色素沈着を抑え、きれいな仕上がりになるのでアフターケアも重要です。

液体窒素

液体窒素で治療する方法もあります。-196℃の液体窒素を患部に塗布し、凍結・壊死させてイボを取り除く方法です。多くの病院で採用されており、比較的一般的な治療方法として導入されています。

ただし、治療中は強い痛みを伴い、治療後はかさぶたができます。また、色素沈着が半年から2年程度残る可能性があります。他の治療法と比べて治療費は安いものの、完全に治るまでに時間がかかります。治療費は、保険適用で700円~900円程度です。

一度の施術で済むこともありますが、取り残しなどで再発した場合は複数回の治療が必要になることもあります。

電気焼灼

電気焼灼で治療する方法もあります。電気焼灼は、電気メスを使用して患部を焼灼する方法です。病変を確実に取り除けますが、治療中は痛みや軽度の出血を伴うことがあります。また、浅く削ると再発の可能性があり、深く削りすぎると傷跡が残るリスクがあるため、医師の技術や経験が重要です。

一度の施術で確実に除去できるメリットがありますが、電気焼灼を取り入れている病院は少ないのが現状です。治療費はクリニックによって異なりますが、8,000円~2万円程度が相場とされています。

脂漏性角化症の治療方法にはさまざまな選択肢があるため、症状や希望に合った方法を選ぶことが大切です。治療を検討する際は、事前に医師と相談し、正しい方法を選択しましょう。

脂漏性角化症の予防法

脂漏性角化症の予防法は、以下のとおりです。

紫外線対策

脂漏性角化症は、紫外線が原因で発症するため日常的な紫外線対策が効果的です。具体的には、日焼け止めを塗ったり、日傘や帽子を活用するといった対策を行うとよいでしょう。

紫外線対策は、季節や天候を問わず1年を通して行うことが大切です。夏だけではなく、冬や曇りの日でも紫外線は降り注いでいるので、日常的に対策する習慣をつけましょう。

肌の保湿

肌を保湿することも、脂漏性角化症の予防に効果的です。肌の乾燥は、脂漏性角化症の発症を促進するためです。乾燥した肌は、外部からの刺激に弱くなります。具体的には、以下のようなケアを行い、肌のバリア機能を保ちましょう。

  • ・洗顔後すぐに化粧水や保湿クリームで保湿する
  • ・加湿器を使用して室内の湿度を適切に保つ

 

脂漏性角化症は、加齢や紫外線などの外的要因で発生しますが、乾燥した肌も発症リスクを高めます。特に、乾燥が気になる季節はこまめに保湿を行い、肌を乾燥から守りましょう。適切なスキンケアを習慣化することで、発症リスクを減らせます。

まとめ

脂漏性角化症は、イボコロリなどの市販薬では治療できません。市販薬を自己判断で使用すると、トラブルの原因となる可能性があるため注意が必要です。

自己治療はできませんが、紫外線対策や保湿ケアをすることで発症リスクを抑えられます。外用薬や内服薬では効果が期待できないため、治療を希望する場合は医師に相談し適切な治療を受けましょう。

院長紹介

日本形成外科学会 専門医 古林 玄

東京皮膚のできものと粉瘤クリニックふるばやし形成外科 新宿院 院長 古林 玄

私は大阪医科大学を卒業後、大阪医科大学附属病院、市立奈良病院を経て東京へ行き、がん研有明病院、聖路加国際病院で形成外科の専門医として様々な手術の経験を積んできました。

がん研有明病院では再建症例を中心に形成外科分野の治療を行い、乳房再建および整形外科分野の再建を中心に手術を行ってきました。聖路加国際病院では整容的な面から顔面領域の形態手術、また、先天性疾患、手の外科、全身の再建手術に携わって参りました。

この経験を活かし、全身における腫瘍切除を形成外科的に適切な切除を目指し、傷跡の目立たない治療を提供できればと考えております。

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