耳垂裂の手術/ピアス穴の修正について専門医が徹底解説

耳垂裂とは

耳垂とは「耳たぶ」のことを指し、何らかの原因で耳たぶが裂けてしまった状態を耳垂裂と呼びます。原因は先天的な耳たぶの形成異常、ピアスなどが何かにひっかかったり、重いピアスなどにより徐々に穴が広がったりしてできる裂傷、その他外傷によるものなど様々です。
主な治療方法としては、避けた皮膚を一部切除し、縫合によって正常な形に戻します。特に形成外科はより綺麗に治療ができる診療科です。

※ピアスなどが原因の耳垂裂は保険診療の適応外となります。

ピアス穴の修正

以下のようなお悩みをお持ちの方は、一度当院にご相談ください。

当院では『ピアス穴の修正』が可能です。

  • ピアス穴が拡張してしまい、ピアスが落ちやすくなった
  • 面接や入社試験で、ピアス穴を指摘される可能性があり心配

手術では痛みを極力抑えるために、局所麻酔を用います。
形成外科専門の縫合技術を用いることで、耳の形を整え、綺麗な仕上がりが期待できます。

耳垂裂・切れ耳の原因

主な原因はピアストラブルです。
長い時間をかけ、少しずつ耳たぶが裂けることでピアスが落ちやすくなり、耳たぶが避けていることに気が付くというケースが多くみられます。

耳が切れる主な原因

  • 金属アレルギー
  • 長時間ピアスを付ける習慣がある
  • 大きいもしくは重たいピアスをよく身に付ける
  • 化膿しやすい体質
  • 耳たぶが厚く、キャッチが食い込むことが多い

耳垂裂を放置した場合の危険性

耳垂裂とはピアスなどが原因で耳が裂けたまま放置していると、ケロイドや瘢痕と呼ばれる傷痕が残ってしまいます。
瘢痕化し、切れた部分が皮膚に覆われた場合、自力で傷を塞ぐことができなくなるため、瘢痕を切除し縫い合わせる必要があります。
また傷口が細菌に感染してしまうこともあり、その場合、赤く腫れたり痛みを伴うことがあるため注意が必要です。
耳垂裂は、自然に治ることはありません。手術が必要です。
耳たぶが裂けてしまったら、できるだけ早く専門医を受診することをおすすめします。

治療へのこだわり

ピアス穴が徐々に広がり裂けてしまった場合、傷が瘢痕と呼ばれる痕になります。この場合、瘢痕を治療するためには切除しかありませんが、そのまま切除してしまうと窪みやクビレ、引き攣れなどを引き起こすことがあります。当院では、傷痕が目立ちにくく自然な形にするために、「W形成術」や「Z形成術」などの手法を用い瘢痕を切除・縫合します。また、患者様の状態に合わせて「皮弁形成術」なども行い、より綺麗に治すことを心がけています。

こだわりの手術法

耳たぶは、毛髪で隠れにくいため、傷痕がどうしても目立ってしまいます。そのため耳垂裂の手術は傷痕を目立ちにくくし、綺麗に仕上げる必要があります。
当院の耳垂裂の手術は、窪みやクビレ、引き攣れが残らないよう、様々な工夫をしています。
代表的な手術法を3つご紹介します。

直線法

裂けている部分に沿って、皮膚を切り取り縫合します。
切除する皮膚の面積が小さくて済むため、耳たぶの左右差ができにくいことが特長です。

Z型形成術

耳垂裂の手術で最も一般的な方法です。
線状の傷によって引き攣れなどの症状がある場合に多く用いられます。
傷口の両わきに切込みを入れ、「Z」の形の傷口を作り縫合します。

W形成術

傷口の一部をW(もしくはV)の形に切開します。
ジグザグの傷は直線的な傷に比べ目立ちにくいため、傷痕を少しでも目立たせたくない方におすすめです。

当院の手術へのこだわり

  1. 髪の毛より細い糸を用い、丁寧な縫合
  2. 形成外科専門医による傷痕が目立ちにくく綺麗に仕上げる手術
  3. 多くの症例と実績
  4. 局所麻酔による手術中の痛み緩和への配慮

治療までの流れ

Step1カウンセリング

形成外科専門医が、患者様それぞれの状態に合わせて治療方針をご提案し、傷の治り方や傷痕を目立ちにくくするためのポイント、術後の経過など詳しくご説明します。患者様ご自身が気になる点、不安な点などについても丁寧にお答えしますので、お気軽にご相談ください。

Step2施術・検査

カウンセリングにより患者様にご納得いただいた手法を用い手術します。ほとんどの患者様は局所麻酔での手術が可能なため、日帰り手術が可能です。
手術の所要時間は、最も多いピアスによる耳垂裂の場合で片耳30分から1時間程度です。

  • 手術前の耳たぶが裂けた状態です。

  • 切開・縫合する場所に印をつけます。

  • 傷口と印を確認しつつ、丁寧に縫合していきます。

Step3施術後・経過観察

手術の1週間後が抜糸の目安です。状態に左右されますが、1~5日後にはガーゼをとって、シャワーが可能になります。形成外科専門医が手術を行った場合、縫合した傷痕は時間経過と共にほとんど目立たなくなります。

  • 手術から約1週間経過した状態です。

  • 抜糸後しばらくは赤みが残ります。この時点で傷はしっかりとくっついています。

  • 赤みは3ヶ月ほど残る場合がありますが、徐々に落ち着いていきます。

料金

平日:18:00以降、土曜:12:00以降、日曜・祝日:終日 の診療では下記の追加料金が発生致します。

3割負担の場合 1割負担の場合
150円 50円

3割負担の場合 1割負担の場合
先天性耳垂裂 31,010円程度 10,500円程度

ピアスによる耳切れは保険適応外のため、一か所5万円になります。
※お支払いは現金のみとなります。

耳垂裂に関するよくある質問

手術の所要時間はどのくらいですか?

手術は片耳で30分~1時間程度です。形成外科専門医が、傷痕がほとんど目立たない手術を心がけ丁寧に行います。

手術中の痛みはありますか?

局所麻酔を使用し、痛みには十分配慮しています。手術中に痛みを感じることはほとんどありません。

手術後の腫れは、どれくらいで消えますか?

腫れは手術後1週間程度続きます。その後、落ち着いていきますので、ご安心ください。赤みは3ヶ月程度残る場合がありますが、徐々に引いてほとんど目立たなくなります。

抜糸までどれくらいかかりますか?

手術後7~14日後に抜糸を行います。髪の毛より細い糸を使用しているため、ほとんど痛みを感じることはありません。

合併症はありますか?

手術による合併症が起こる可能性は、極めて低く稀なケースです。
万が一、症状が出た場合には、すぐに再受診してください。

考えられる合併症
  • 埋没した吸収糸が露出する
    ➔抜糸を行います。

  • ウイルスや細菌の感染
    ➔発熱や腫れなどの症状がある場合は、傷口がウイルスや細菌などに感染している可能性があります。抗生物質による投薬治療や、膿がある場合は、小さく切開し排膿することもあります。

  • ケロイド
    ➔患者様の体質によっては、手術による傷痕がケロイド状になることがあります。内服薬による治療や注射、局所療法を行います。

  • 肥厚性瘢痕
    ➔傷痕が赤く腫れ盛り上がった状態のことです。この場合、内服薬や注射、クリームにより治療を行います。

  • 血腫
    ➔必要に応じ切除します。

院長紹介

日本形成外科学会 専門医 古林 玄

東京皮膚のできものと粉瘤クリニックふるばやし形成外科 新宿院 院長 古林 玄

私は大阪医科大学を卒業後、大阪医科大学附属病院、市立奈良病院を経て東京へ行き、がん研有明病院、聖路加国際病院で形成外科の専門医として様々な手術の経験を積んできました。

がん研有明病院では再建症例を中心に形成外科分野の治療を行い、乳房再建および整形外科分野の再建を中心に手術を行ってきました。聖路加国際病院では整容的な面から顔面領域の形態手術、また、先天性疾患、手の外科、全身の再建手術に携わって参りました。

この経験を活かし、全身における腫瘍切除を形成外科的に適切な切除を目指し、傷跡の目立たない治療を提供できればと考えております。