今回の症例は腰部の粉瘤です。動画は下に載せています。
大きさは約5㎝です。
少し大きく、余剰皮膚も出る可能性もあったため、紡錘形に1.5㎝程切開ラインをデザインし、手術を行いました。
今回の症例では粉瘤によく見られる開口部が見つけられませんでした。元々ない症例もありますし、炎症を繰り返した場合に分からなくなる場合があります。
開口部を取り残すと必ず再発します。麻酔を打つことで小さな開口部が拡大し、見つけられる事もありますし、敢えて腫瘍の中に麻酔を打つことで開口部より噴水のように麻酔が噴き出し、開口部を見つけられる事もあります。
今回はありませんでしたので、開口部はないものとして治療を終えましたが、隠れている場合は再発します。
炎症のない症例でしたので麻酔は切開部位だけ行います。カラダの中は意外に痛みがありません。痛みがあればその都度、追加します。
内容物はかなり多かったです。10年近くはあったようです。
腫瘍を皮膜ギリギリで剥離することで出血を最小限に抑えます。無理やりとると出血が多くなりますが、綺麗に膜の部位だけを剥離します。ハサミで切る場合もありますが、ハサミの先を膜と組織の間に滑りこませながら腫瘍を摘出します。
一部破れていますが、しっかりと切除出来ました。
創部を縫合し、手術を終了しています。
形成外科専門医 古林玄