今回の粉瘤は頸部の4㎝大の粉瘤です。動画は下に載せています。
炎症もしており、少し取り辛いことを予想して手術を行います。
また頸部は大血管の走行している部位であり注意が必要です。
術前にしっかりとエコーで血流を確認し、腫瘍との位置関係を明確にします。
炎症も強いため、血管との癒着には注意が必要です。
そのため、腫瘍上に小さい切開を加えることで手術を開始しました。
内容物を取り出します。
被膜の剥離を行いますが、やはりかなり癒着が強く、切除が困難な状態になっていました。少しずつ癒着を剥離し、腫瘍を摘出します。
腫瘍を取った内部は大きな空洞(死腔)が出来るため、16Gサーフローを利用したドレーンを作成し、挿入します。血腫予防になります。
ドレーンは問題なければ翌日抜去します。自己抜去も可能です。
翌日ドレーンを抜去してからシャワーが可能になります。
創部は軟膏をしっかり塗布して、一週間後に抜糸となります。
袋はかなり破れてしまいましたが、残りの袋がないか、最後に確認しています。癒着が強かった証拠ですね。
形成外科専門医 古林玄