皮膚線維腫とは
成人女性に多く、腕、大腿部や脚などに現れる硬く隆起性の腫瘍です。時折、痛みや痒みを生じますが無症状な事も多いです。
原因
原因ははっきりしていませんが、虫刺されや外傷に反応して発生することもあります。
治療
基本的には外科的切除になります。大きいものや、増加傾向にあるものは、まれにDFSP(隆起性皮膚線維肉腫)という悪性腫瘍との鑑別が必要なため、顕微鏡による検査(病理検査)を行います。大きくないものや症状のないものは経過観察とすることもあります。
病理組織では真皮内に豊富な膠原線維の増加と線維芽細胞の増殖が認められます。周辺では太い膠原線維束間への浸潤様増殖を示し、表面にメラニン沈着を有する表皮肥厚を伴います。
鑑別疾患
先ほど上げたDFSP(隆起性皮膚線維肉腫)、結節性黄色腫、母斑細胞母斑、青色母斑、悪性黒色腫などが鑑別にあげられます。また、炎症した後の粉瘤も硬く、隆起し、色素沈着を伴うことから間違えることもあります。粉瘤では硬くなってしまった場合には炎症が起こった後であり、痛みを伴っている事が多く、経過を聞くことで判別も出来ます。
その他の皮膚線維腫
背部の皮膚線維腫
足背の皮膚線維腫
形成外科専門医 古林玄