しこりニキビに悩む方必見!正しい治し方と間違った対処とは?

いつものニキビより大きくて硬い、長期間治らない「しこりニキビ」ができて困っていませんか?
しこりニキビがなかなか治らないと、気になって触ってしまったり、自分でなんとかしようといろいろ試したくなりますよね。
しかし、しこりニキビは正しく対処しないと顔に跡がついてしまいます。
また、しこりニキビに似た症状である粉瘤であった場合、自然に治ることはありません。

そこで今回は、しこりニキビに対する正しい治療法と間違った対処をご紹介します。粉瘤としこりニキビの違いも紹介するので、ぜひ最後までみてください。

しこりニキビを綺麗に治すために

しこりニキビとは

しこりニキビとは、ニキビの炎症が悪化し、大きく腫れ上がったものです。膿や血が皮膚の下に溜まっており、触るとしこりのように感じるニキビです。そのため、急にできるものではなく、徐々に形成されていきます。

しこりニキビの跡になる間違った対処

しこりニキビを指や針で潰すことはNGです!
ニキビを早く治すためには膿をしっかり出しきる必要がありますが、自分でやってしまうとわずかに残ってしまうことも多く、再発するリスクが付き纏います。また、潰した箇所から入り込んだ細菌が感染を引き起こし、炎症が酷くなったり再度化膿したりする場合があります。ニキビ跡は、肌を炎症から守ろうとメラニンが働くことによりできてしまいます。また、炎症が肌組織を破壊し再生がうまくいかないとと凸凹した状態になります。つまり、自分で間違った処置をして症状が長引いてしまう程、跡に残りやすくなります。そのため、早くきれいに治すためには、医療機関で正しい治療を受けることが必要です。

悪化させないためにできる3つのセルフケア

しこりニキビを悪化させないためにできるセルフケアは以下の3つがあります。

  • ・ニキビ治療に合ったスキンケア、メイクをする
  • ・食生活、生活習慣を改める
  • ・必要以上の刺激を与えない

基礎化粧品はノンコメドジェニック、もしくはハイポコメドジェニックと表記されたものを使用し、長時間のメイクはできるだけ行わないようにしましょう。 また、洗顔は1日に何回もするのではなく、1日2回に抑えるようにしましょう。

では正しい治療法を選択するために、しこりニキビがどのようにできるのか原因を理解しましょう。

ニキビの4つの段階

ニキビには重症度によって、4つの段階があります。

  • 第1段階:ニキビができる1歩手前の段階

    これは毛包の開口部が狭くなり、皮脂が過剰に分泌され、毛穴に詰まっている状態です。ニキビができる直前の状態ですが、肉眼ではまだ確認できないレベルのものです。

  • 第2段階:白ニキビ、黒ニキビの段階

    毛穴のつまりが進行すると、「コメド」と呼ばれるニキビができます。化膿や炎症といった症状はまだありませんが、毛穴の中では皮脂がたまり、アクネ菌が増えてきています。この状態のニキビは、 毛穴が閉じている「白ニキビ」と、毛穴が開いている「黒ニキビ」があります。

  • 第3段階:赤ニキビ、黃ニキビの段階

    白ニキビからアクネ菌が増殖して炎症を起こし、赤く腫れると「赤ニキビ」と呼ばれるものになります。さらにブドウ球菌も増殖し、炎症が悪化すると、大きく腫れ、黄色い膿が見えるような状態になります。この状態を「黄ニキビ」と呼びます。

  • 第4段階:しこりニキビの段階

    黄ニキビからさらに悪化すると、毛穴の壁が破壊され、周りの組織にまで炎症が拡がります。そうすると皮膚の下には膿や血がたまり、大きく腫れた状態になります。この状態を治そうと、過剰に肌細胞を生成し、 それがしこりのように固く残り、「しこりニキビ」と呼ばれるものになります。ここまで酷くなると、腫れが引いても、綺麗に治らず跡に残りやすくなってしまいます。さらに炎症が深くまで及ぶと、皮膚のひきつれや、盛り上がった跡、くぼんだ跡が残ってしまう可能性もあります。

では、このしこりニキビにどのように対処すればよいのでしょうか?
綺麗に治すための正しい治し方を理解していきましょう。

しこりニキビの正しい治し方

ニキビのしこりを早くきれいに治したいのであれば、医療機関に診てもらうことをおすすめします。
そこで、クリニックで行われる治療法についてご紹介します。

塗り薬・内服薬での治療

しこりができるほど炎症を起こしたニキビをすぐに治すことは難しいですが、薬で炎症を抑えることで、目立たなくすることができます。主に薬としては塗り薬の外用薬と、服用する内服薬の2種類があります。

    • ・塗り薬
      アクネ菌を殺菌する作用のある薬や、毛穴へのつまりを防ぐ薬などがあります。

    • ・内服薬
      炎症症状が強い場合はアクネ菌を抑える抗生物質が処方されます。体質改善の目的として、漢方薬を処方したり、またビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンEなどのサプリメントが補助的に出されたりすることもありますが、効果がでるには期間がかかります。

これらの塗り薬と内服薬は一緒に服用することで、より効果が期待できます。

切開手術

切開手術では、ニキビの中の膿をとり、しこりニキビを小さくしていきます。
術後は炎症を抑える内服薬と外用薬を使用していきます。
内服薬と塗り薬の効果は手術して膿を取り出した後の方が十分に発揮されます。
ただし、切開手術は、皮膚を広く切らないといけない場合もあり、傷跡が残る可能性がある、といったデメリットもあります。

レーザー治療

レーザー治療には様々な種類があり、肌の表面にレーザーで微細な天井の穴を開けて肌を刺激するものや、血管を破壊し炎症を強制的にリセットするものがあります。何度か繰り返して照射することで、肌の凹凸をなめらかにする効果も期待できます。

それぞれの肌の状態によって最適な治療法は変わってきます。当院では患者様のご要望を伺いながら適切な治療方針を決めていきますので、まずは一度ご相談ください。

しこりニキビと間違いやすい粉瘤について

自然には治らない粉瘤という腫瘍

自然には治らない粉瘤という腫瘍

ニキビではなく粉瘤という別の皮膚疾患の可能性も考えられます。その場合、ニキビに対する治療は効果がありません。粉瘤とは、アテロームとも呼ばれる良性の腫瘍です。皮膚の下に袋状の組織ができ、そこに皮脂や角質といった老廃物が溜まったものを指します。はじめは目立つことなく、ニキビや小さなしこりのように感じますが、粉瘤はニキビと違い放置していても自然には治癒しません。そのため老廃物が溜まるのと共に徐々に大きくなっていきます。そうするとぽっこりと皮膚を隆起させるほど大きくなったり、臭うようになったり、細菌などの感染によって炎症を引き起こしたりする可能性があります。炎症によって化膿し強い痛みや腫れを生じた場合には、できるだけ早い処置が必要になります。粉瘤は、 袋状の組織が残っている限り再発する可能性があります。そのため処置としては、袋状の組織ごと除去する必要があります。

しこりニキビと粉瘤を見分ける3つのポイント

しこりニキビと粉瘤を見分けるポイントは3つあり、表のような違いがあります。

見分けるポイント しこりニキビ 粉瘤
大きさ

数ミリほど

数十センチにおよぶことも
中央の黒い点 なし

あり

臭い なし

悪臭がする


      • 1, 大きさ

        しこりニキビの大きさは、炎症が悪化しても数ミリほどしかありません。 一方、粉瘤は放っておくとどんどん大きくなり、大きいもので数十センチにまで腫れる場合もあります。

      • 2,中央あたりに黒い点があるかどうか

        粉瘤の表面をよくみてみると、中央あたりに「開口部」と呼ばれる小さな黒い点を見つけることができます。 一方、ニキビにはこういった点はなく、この黒い点が粉瘤とニキビを見分ける1つのポイントになってきます。

      • 3,においがするかどうか

        粉瘤は、老廃物がどんどん溜まっていくと悪臭がするようになります。一方しこりニキビからは、悪臭はほとんどの場合しません。

      • 基本的にはこの3つのポイントで、ニキビと粉瘤を見分けることができますが、すこしでも気になった場合は早めに、医療機関で受診することをおすすめします。 当院では、たとえ炎症性の粉瘤であっても基本的に

    日帰り手術が可能です。 事前の診療で粉瘤の大きさや数、炎症の有無などを確認し、日帰り手術が可能か否かを慎重に判断しますので、まずはお早めにご相談ください。

まとめ

しこりニキビとは、ニキビの炎症が悪化し、大きく腫れ上がったものです。 間違った対処をしてしまうと、炎症が悪化し跡になったり、膿が残り再発してしまったりするため、気になる場合は、早めに受診することをおすすめします。 また、しこりニキビに似た症状を表すものとして粉瘤があります。 粉瘤は、自然に治ることはないため、医療機関で早めに受診をすることをおすすめします。当院では、傷跡が残らないよう患者様によりそった治療法を選択しております。日帰りでの手術も行っておりますので、まずは一度ご確認ください。

院長紹介

日本形成外科学会 専門医 古林 玄

東京皮膚のできものと粉瘤クリニックふるばやし形成外科 新宿院 院長 古林 玄

私は大阪医科大学を卒業後、大阪医科大学附属病院、市立奈良病院を経て東京へ行き、がん研有明病院、聖路加国際病院で形成外科の専門医として様々な手術の経験を積んできました。

がん研有明病院では再建症例を中心に形成外科分野の治療を行い、乳房再建および整形外科分野の再建を中心に手術を行ってきました。聖路加国際病院では整容的な面から顔面領域の形態手術、また、先天性疾患、手の外科、全身の再建手術に携わって参りました。

この経験を活かし、全身における腫瘍切除を形成外科的に適切な切除を目指し、傷跡の目立たない治療を提供できればと考えております。

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