おでこにできたデキモノ 外骨腫の治療/日帰り
今回の症例はおでこの外骨腫です。外骨腫についてはこちらで詳しく解説ししています。
オデコのしこり、デキモノの中には外骨腫という腫瘍があります。
外骨腫はあまり聞きなれない腫瘍かもしれませんが、粉瘤や脂肪腫と非常によく間違えられやすい腫瘍です。
外骨腫は非常に硬く粉瘤や脂肪腫とは全然硬さが違いますし、可動性も全くありません。しかし、触診だけでは皮膚自体がよく動くため診断に苦慮します。
場合によってはCT検査を行い、精査する場合もあります。
今回の症例もおでこの1㎝程の小さな腫瘍ですが、見た目ではかなりくっきり膨らみが出てしまいます。ほとんどが良性ですが整容面的にも切除を希望する場合が多いです。
動画は下に載せています。
腫瘍より少し上から切開を加え、前頭筋を剥離し、骨膜上までアプローチします。その際に神経には気を付けなければいけません。骨膜にアプローチが出来れば、エレバラスパを使い、骨膜下の剥離を行います。
十分に剥離を終えたところでツチとノミを使用し、腫瘍の切除を行います。
やってる事は大工さんと同じです。
コンコンすると腫瘍が簡単に切除できます。
とてもきれいに摘出できました。
創部を縫合し、手術を終了します。出血もほとんどなく日帰りで手術出来てしまいます。
これくらいの腫瘍であれば局所麻酔で十分に出来てしまいます。
術後
術後は軟膏処置またはバイオヘッシブで固定を行い、1週間後に抜糸します。
形成外科専門医 古林玄
粉瘤と間違えやすい腫瘍【外骨腫】症状/治療法
外骨腫とは 外骨腫の症例はこちらに載せています。
形成外科領域では主に前額部(オデコ)や頭蓋、爪の下によく見られる良性のできものの一つです。病理組織学的には腫瘍表層部に軟骨組織を有する。
原因
原因ははっきりしていません。
爪下外骨腫では指の末節部に認め、10~20歳代の若年者に多く見られ、疼痛を伴います。前額部や頭蓋では疼痛はありませんが、整容面の問題で切除を希望する患者様が多いです。
検査・診断
エコー検査で基本的には診断出来ます。更に詳しく全体像を把握するために、CT検査を行う場合もあります。3Dで骨を捉えることが出来るため非常に有用です。
触診では少し難しいこともありますのでエコー検査は最低でも必要になります。
前額部には脂肪腫が骨上、前頭筋下に出来るため、非常に間違えやすくなります。また粉瘤も前額部にもよく出来ますので注意が必要です。
治療
基本的には手術による摘出を行います。
骨に出来る腫瘍ですが、局所麻酔で切除することが出来ます。ツチとノミを使用して、摘出します。摘出した組織は病理検査に提出します。
創部は細かく縫合することで出来るだけ目立たないようにします。
術後
術後は軟膏処置またはバイオヘッシブで固定を行い、1週間後に抜糸します。
料金
保険点数は K052 骨腫瘍切除術 4,340点 が適応されます。
その他の検査、診察代も含め、3割負担で15000円から20000円ほどになります。
形成外科専門医 古林玄